HOME > 季刊誌&健康チェック > 脊椎脊髄センター 尾立 征一 医師

その「痛み」や「しびれ」をあきらめないで!

つらい腰痛や手足のしびれを「年のせい」などとあきらめていませんか?学研都市病院脊椎脊髄センターの尾立征一医師は「一人でも多くの患者さまに痛みのない人生を」と毎日、背骨の治療のことばかり考えているそうです。脊椎脊髄手術の最前線に迫ります。

「一か八か」ではなく確実に痛みを取る手術

 脊椎(背骨)は33個の椎骨が連なって脊柱となり、頭や体、内臓を支えるとともに、脊柱の中を通っている神経組織を守る働きをしています。この椎骨が加齢や運動などによりズレたり、椎骨と椎骨の間のクッションである椎間板が出っ張ってきたり、神経の通り道(脊柱管)が狭くなったりして中の神経組織が圧迫され、腰痛や手足のしびれ・麻痺、肩こり、歩行障害など、様々な症状が出てきます。比較的若い人に多いのが脊椎分離症や椎間板ヘルニアで、中年以降に多いのが脊柱管狭窄症や脊椎すべり症、圧迫骨折などです。牽引やコルセットの装着など保存的治療で治る場合もありますが、必要に応じて手術療法が選択されます。

 「背骨の手術」というと、いまだに「車いす生活になるのでは?」と怖がる方が多いのですが、診断方法、手術方法ともに飛躍的に進歩しており、「一か八か」の危険な手術はありませんのでご安心を。大切なのは「年のせい」などとあきらめず、痛みのない元気な生活を取り戻そうと、自ら病気に立ち向かう気持ちです。「治りたい」意欲の強い方ほどよくなられます。

「除圧」と「固定」が基本。全国トップレベルの実績

 手術には大きく分けて、神経の圧迫を取り除く「除圧手術」と、脊柱を補強する「固定手術」の二つがあります。どちらかの手術方法が優れているというものではなく、状態に応じて適切な方法を使い分けることが大切だと考えています。除圧手術だけでは症状が改善しなかったり、再発の可能性がある場合はインプラントで椎骨を固定します。「知人が同じ症状だから私も同じ治療を」と来院される方がいらっしゃいますが、症状が似ていても原因は多種多様です。脊柱の老化ではなく、腫瘍ができて神経を圧迫しているケースもありますから、異常を感じたら専門の医療機関を受診して、正確な診断をつけるべきです。

 私たちの学研都市病院脊椎脊髄センターでは、この分野のパイオニアである四方實彦院長のもと、最新の知識と技術を取り入れながら、日々診療に当たっています。脊椎脊髄専門外来を週4日開き、手術日を週5日設定。1日2〜3件、1ヵ月に40数件のペースで手術を実施。当科で行われた脊椎脊髄手術は2006年の開院以来2017年夏までに5500件実施されました。当院では遠方から来院される方や、他院で手術ができないといわれて長年我慢してきた方、他院での手術がうまくいかず再手術を希望される方なども多く、手術件数がたいへん多いことも特徴です。

少数精鋭チームによる 安全で手早く美しい手術

尾立 征一 医師 当院は少数精鋭のチームで標準化された手術を繰り返しおこなっていますから、ぶれのない、いい手術が毎回できること。車いすで入院した方が数週間後には笑顔で歩いて退院されるというドラマティックな事実に日々接していると、本当にうれしくなります。

 私は、こちらに赴任する前、滋賀医大脊椎班に所属して、脊椎手術に集中的に取り組んできました。それまでは整形外科手術全般を幅広くおこなってまいりましたが、脊椎の手術によって患者さまの生活の質(QOL)が大きくアップすることに魅せられ、脊椎脊髄病のプロフェッショナルになることに決めました。

治療が無事に成功するよう外来から手術、術後管理、退院後の外来フォローまでを一貫して私自身で責任を持って担当しています。私は最近の12年間ではおよそ1500名の方の脊椎脊髄手術を執刀、治療させていただきました。これまでに、大切な神経や血管を誤って傷つけたことは一度もありません。ていねいで確実で、素早く終わり、何より元気になる手術を心がけています。どうぞ、なんでも私たちに相談してください。解決の道はきっと見つかります。(2017.8)

学研都市病院 整形外科・脊椎脊髄センター 部長 尾立 征一 医師

日本脊椎脊髄病学会認定脊椎脊髄外科指導医
日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会脊椎脊髄病医
日本体育協会公認 スポーツドクター

平成 9年 国立滋賀医科大学医学部卒業
平成 9年 京都大学附属病院整形外科
平成10年 市立長浜病院整形外科
平成12年 公立甲賀病院整形外科
平成17年 滋賀医科大学附属病院整形外科・脊椎班
平成19年 学研都市病院整形外科・脊椎脊髄センター