日本人の平均寿命は男性で約81歳、女性で87歳と世界一の水準です。しかし健康寿命との差は男性9年、女性12年と言われています。健康寿命を延ばすには適度の「運動」が重要です。そのためには歩けることが必要条件です。長年使用した軟骨がすり減って生じる変形性関節症の患者さんにとって股関節や膝関節の痛みは歩行障害の重大の原因です。人工股関節や人工膝関節は変形性関節症の患者さんの自立した歩行を手助けする有力な味方です。当センターに着任した田中は約29年間に亘って京都市立病院で股関節と膝関節手術とりわけ1997年以降は整形外科部長として人工関節手術に取り組んできました。人工股関節、人工膝関節、関節温存手術を含めて2500関節あまりの手術経験を活かして、骨折や感染や脱臼の合併症が少ないセメント人工股関節手術を行っています。人工関節のデザイン・素材の改善や手術手技の改良によって成績はさらに向上し、難易度の高い人工股関節再置換術や高位脱臼症例に対しても良好な結果を残してきました。近年、高齢化に伴う脊椎変形と股関節症を合わせ持つ患者さんは人工股関節術後の脱臼の頻度が高いことが問題になっています。当院では脊椎外科センターと協力して、術前の画像を詳しく検討して脱臼予防に取り組んでいます。
■ 診療科案内 ■
http://www.iseikai.jp/gakkentoshi/ambulatory/course.html#sec20
■ 担当医紹介 ■
担当医 : 田中 千晶 医師(人工関節センター長)
出身大学 : 京都大学(資格:医学博士、1979年卒業)
資格 : 日本整形外科学会専門医
日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医
日本リハビリテーション学会認定臨床医
日本骨粗鬆症学会認定医
日本リウマチ学会専門医
専門分野 : 人工股関節、人工膝関節