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お知らせ

2024.12.20
医療関係者向け
患者さん向け

人工膝関節全置換術後の疼痛軽減一例 学会発表

2024年9月に京都で開催された「全日本病院学会」に参加しました。

「人工膝関節全置換術後の患者の創部痛を歩行動作指導で疼痛軽減を図った一例」 という題名でリハビリテーション科のスタッフが症例発表を行いました。

症例検討に至った背景

人工膝関節全置換術(以下TKA)後の患者様は、手術前の可動域の低下や術後の炎症兆候により、疼痛の出現タイミングを把握できないことが多いです。

暴露療法(認知行動療法のひとつであり、疼痛出現する動作に対して、段階的に慣れさせることで痛みに対する恐怖心を軽減させる方法。)を術後早期に行い、効果を検証した報告はありませんでした。

TKA術後早期の患者に対して、暴露療法における疼痛教育を行うことで疼痛を自制して歩行可能ではないか?今回、TKA術後の一症例に対して、暴露療法での歩行練習を実施しました。症例は術創部痛から患肢に荷重することに恐怖心があり、痛みも患側大腿全体にあり、痛みの部位がはっきりしない状態でした。練習後疼痛を自制して歩行可能となったため報告しました。

発表者の感想

今回の学会への参加では多くの貴重な経験をさせていただきました。

元々学会への参加は興味があったのですが何から始めて良いのか分からず中々始めることが出来ませんでしたが、先輩から「初めてでも発表しやすい雰囲気の学会がある」と紹介していただき、全日本病院学会への参加を決めました。学会に参加するために先輩の協力の下、準備を始めましたが患者様の評価をするという最初の段階から普段のリハビリとは違う視点で視る必要がありました。最初は戸惑いましたが新たな視点から患者様の身体に生じている異常を見ることができ、非常に貴重な経験をする事が出来ました。

全日本病院学会は、理学療法士だけでなく医師や看護師、事務職の方々まで様々な職種が参加していました。普段あまり関わりの無い職種の発表を聞きに行くことでリハビリ業務だけでは分からない病院経営の事情や医師の方々がどのような視点でリハビリを捉えておられるか、病院全体からどのようにリハビリが見られているのかを知り、大変勉強になりました。

私の発表は他病院の先生方や大学の教授の方々などが見に来て下さり、大変緊張しましたが質疑応答では質問を頂き、私の発表で不足していた情報や異なる意見を知ることができ、とても有意義な時間でした。

これらの経験を活かして日々の業務に取り組み、次は今回の研究内容を発展させた内容でまた学会に参加したいと思いました。